共食いキャラクター



日本各地には名物の牛肉がある。松阪牛とか三田牛とか。ここ小倉にもそういうブランド牛があると知った。

そして、名物の食材あるところに共食いキャラあり。にらんだとおり、お祭り気分で仲間の肉を買えと勧める脳天気な共食いウシがいた。

たすきを使って万全の浮かれ体勢。打ち鳴らすのは共食い音頭か。



ピクトさん学会のうつみ会長よりいただいたすばらしい共食いウシ。

いや、共食いキャラにすばらしいとかない。

焼き肉屋さんのキャラだということでウシだと判断したが、よくよく見ればほんとうにこれはウシなのか、という疑いが頭をもたげる。

耳はどうなっているのだ。いや、だいたい顔の輪郭が変だ。鼻も妙だし、舌もどこから出ているのか定かではない。箸を握る手もなんだか。というか、これは本当に箸か、手か。

なにもかもが不穏な雰囲気を漂わせる共食いウシ。長らく共食いキャラという仕事に就き、仲間の肉を食えと誘うということをやっていると、そのストレスがこういう形で表れるのだと思う。かわいそうでならない。



自分の職務の意味を知って茫然自失といったところか。共食いキャラ界の中でも脳天気さを誇るウシさんにはめずらしい。

こういう良心を持ったウシさんがまだいるのだと知ると、ちょっと嬉しいと同時に気の毒な気分にもなる。

「和風ステーキ」の文字の横で放心状態。今後の彼の身の振り方には注目していきたい。



日本において、名物料理と共食いキャラは切っても切り離せない関係のようだ。ぼくとしては切り離してほしい。

にっこりと店頭で客引きをするのは、仙台の牛タンを勧める共食いウシ。食材となる部位をことさらアピールするように舌を出している点がやるせない。「舌を出す」という行為がどこかコミカルな点もかなしい。

一見笑顔だが、その奥底には悲しみが垣間見える。と思う。本当に心底おどけているのだとしたら、彼には「目をさませ」と言ってやらねばなるまい。



名物料理があるところに共食いキャラあり。共食いキャラ第2法則である。

沖縄では共食いブタが誇らなくていい隆盛を誇っているが、ここ仙台では共食いウシが台頭している。むろん、牛タン料理店が主戦場である。

この例で興味深いのは、そこに、こちらもまたご当地名物である伊達政宗を合わせてきた点。牛タン共食いウシと名将のコラボレーションが行き着いた先は、まさかのダジャレ。

仲間の舌を食えと勧めるだけでもつらいのに、このダジャレをモチーフにしたコスプレはどうだ。

なかなか凛々しい表情をしているが、内心はやるせない気持ちに違いない。



共食いキャラ種族のなかで、最もキャラクターになりやすいのがブタさんである。特徴的な鼻の造形や体型、そしてしっぽなど、安易に人間がブタを共食いキャラ化してしまう原因のひとつがこういうところにある。

しかし、これはどうだろう。「共食いブタだ!」と思って撮影してみたが、もしかしたらこれはブタではないかもしれない。じゃあなんなんだ、と聞かれると困るが。

仲間の肉を食えと勧める仕事のストレスが、彼をしてこういう姿にしてしまったという可能性も否定できない。とかく悲観的になりがちな共食いキャラ鑑賞家である。

共食いキャラを研究し続けていると「これは以前別のところにもいたぞ」というものに出会うことがある。たとえばこれがそうだ。


韓国料理屋店頭でサムアップ。コック帽でウィンク。仲間を食わせる気まんまんの共食いウシ。彼に別のところでも出会ったのだ。



同じ共食いキャラだ。これは同じ系列のお店というわけではない。つまり、彼はさまざまなお店で広く活躍する売れっ子共食いキャラというわけだ。

これだけ罪悪感を感じさせないサムアップができてこそ、この業界で勢力を伸ばせるというわけか。共食いキャラ界もなかなか厳しい世界のようだ。



そのあいらしい姿とポーズで人気の高い招き猫。キャラクター界でも屈指のアイドルである。

商売繁盛のキャラクターとして伝統を誇る彼らだが、あれはネコがやるから許されるのであって、ブタ料理店店頭でブタがその真似をしてはならない。

招けば招くほど仲間の肉が食されていく。なんたること。

しかし、これはもしかしたら「ネコのフリ」をすることで仲間の非難をかわそうというブタさんの苦肉の作戦なのかもしれない。だとしたら欺されたフリをしておくべきか。



またもやダジャレ系共食いブタさんである。厨房で仲間の肉がとんとん拍子でどうなっていくのか知ってか知らずか、微妙な表情。

仲間の肉を食えと勧める仕事を、人間にさせられた上に、店名はダジャレ。なんてことを我々人間はやっているのだろう、といつも思う。



名物に共食いキャラあり。牛肉で有名な土地などには必ずといっていいほど共食いウシがいるものだ。

そして、ぼくの見るところいちばんの名物共食いキャラ王国は沖縄である。

浮かれ気分のリゾート地でついつい大胆な火遊びを…という話はよく聞くが、南国にはそういう力があるのだろう。共食いキャラにおいてもそれは同じである。

民族衣装を着込んで太鼓をたたく共食いブタ。方言でごまかしたところで、きみがやっていることは仲間の肉のお土産を勧めることだ。

基地問題と同じぐらいゆゆしき沖縄の現実がここに。

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