共食いキャラクター


 
 豚料理専門店の箸袋にいるブタさん。さあ、おいしくいただくぞ、と箸を抜けばそこにあきらめ顔のブタさん。これまで紹介してきたもののように看板ならばまだしも、このタイミングで「たべちゃうの?」と不意打ち。

 箸を抜くときもさることながら、箸を戻すときに「食べちゃったんだね」とばかりにまた見られるの、つらい。

 食欲が満たされた後だけに哀れみの感情もわきやすくなっているだろうし。マズローの三角形が教えるのはそういうことだ。

 味を悪くしてまで訴求したいこととは何なのか。衣食足りて礼節を知る。そんなこと共食いキャラに教えられたくない。


 
 Nakamuraさんよりいただいた、心の状態が危惧される共食いブタ。しばらく仕事を忘れゆっくりと休息をとることをお勧めする。

 やはり、仲間を食えとアピールすることはかなりのストレスなのだろう。なんだか気の毒になってきた。顔色もおかしいし。

 ただ、いくらおかしくなったとはいえ耳の色やその蝶ネクタイはどうなんだ、と言いたくなる。

 いったいこれで食欲が増すのかどうか。作者の心の状態も気になる作品である。

 別々のお二方から投稿いただいた共食いブタキャラ。これが驚きの展開に。


 
 これは速水螺旋人さんから通報のあった共食いブタ。なんと、モスクワのメス豚である。海の向こうの共食いキャラだ。

「裸エプロンで客を悩殺せんとする肉感的な豚。まさに仲間を売って平然としているみだらな雌豚といえましょう」


 とのコメント。雌と決めてかかっているところに速水さんの憤りを感じる。

 これまで無節操な共食いプレイをいくつか見てはきたが、これはひどい。誘うようなな目元と口元、腰に手をやるその様、妙なモデル立ち、そして裸エプロン。どこをとってもカチンとくる。そりゃあ、ウォッカもすすむというものだ。

 そして田中さんからいただいたのが、下のブタだ。

 
 なんと、同じポーズ、同じデザイン。こちらは日本国内のもの。

 どちらが先かは分からないが、いずれにせよ、そこまでして真似することか共食いキャラは、と思う。国境を越えての共食いの惨劇。武器商人のようである。
 
田中さんは

「鼻にOPENの文字をぶらさげ、笑顔で調理後の仲間を運ぶ。冷静に考えると、かなり酷いキャラです」


とコメント。象はその鼻を、人間の手のように器用に使うが、ブタの鼻にもこんな使い方があったとは。いやいや、そんなところに感心している場合ではない。

 「どう?すごいでしょ?」とばかりに満面の笑みと得意げなポーズで看板をぶら下げているが、その意味が分かっているのだろうか。分かってるよなあ、コック帽かぶってるし。

 あと「O・P・E・N」の「・」はいらないと思う。



 京都で見つけた共食い。「とん料理」という言い方もはじめてきたが、共食いブタの表現もなかなか独創的。

 真円を構成して作られたブタキャラ鼻の穴の表現を中心になんだかおかしなぐあいいに。

 「とんちんかん」。まさにその通り、という共食いキャラである。そして、四条に夜が来る。


 
 南国沖縄からまたひとつ、いけすかない共食いキャラの出現である。

 ぼくは基本的には共食いキャラには同情的なのだが、この表情はいただけない。なにそのニヒルな笑み。
 
 「旨味がが強く、ジューシー」「コレステロールが1/4」などアグーの魅力を猛アピールである。
 
 いや、もしかしたらこの共食いキャラは、ここで推されているアグー種ではないのかもしれない。だとしたら、これは共食いなのかどうか。いやいや、同じブタだろう、共食いには変わりないじゃないかと思うのはいささか浅慮だ。なぜなら我々人間も、同じ人類でありながら異なる人種間で殺し合いを繰り返してきたではないか。

 見るものに、戦いに明け暮れた人類の歴史と、そして人類愛とは何かを問いかける共食いキャラ。その不敵な表情も人類に対する侮蔑の笑みに見えてきた。
 
 うそですけど。


 
 南国沖縄で朗らかに「耳を食え」と誘う共食いキャラ。いかんなくキャラ化されたかわいらしいブタさんだが、「コリコリとした歯ごたえ、とまらない美味しさ」と味のアピールに加え、「コラーゲン、カルシウムが豊富」と栄養学的観点からも共食いを推奨。

 そればかりか要所要所に「おつまみ」「おやつに」など小粋な提案まで。

 罪のなさそうな天真爛漫ぶりなだけに涙を誘う共食いブタ。食わせるのが耳だというのもかえって悲惨な感じがするうえ、アピールが功を奏してかけっこう売れているらしき点にも業の深さを感じる一品。


 
 とんかつチェーン店の店頭に浮遊しているのは立体共食いキャラクター。

 球体の発泡スチロールを組み合わせて作られた共食いぶたさんの表情は、仲間を食わせることを推奨するその役目を知ってか、どことなくアンニュイ。

 星条旗をモティーフとしたペイントを施された3D共食いキャラ。そもそもアメリカ産の豚であることをアピールすることが効果的などうなのかもよく分からない。

 あと、球体でブタさんがほとんど表現できることにびっくり。ブタさんのキャラとしてのこなれ具合にあらためて感銘を受けた次第である。


 
 とんかつ屋さんの装テンにシンプルに描かれた共食いブタさん。仲間を食えと客寄せすることに耐えられなくなったのか、かなりの放心状態。医者に相談した方がよいだろう。


 
 老舗とんかつ屋に共食いキャラクターがいた。

 伝統と確かな品質を感じさせる筆遣い。達筆共食いとでも言うべき、日本の心。

 右手をちょこんと挙げ、腹には「かつ」の字。しかも売り文句が「箸で切れる」。かわいらしいキャラだけに涙を誘う。たぶん彼女は自分が何をやっているのかわかっていないのではないだろうか。勝手に女の子にしてるわけだが。
 
 あと、その鼻はいったいどうなっているんだ。


 
 名古屋名物みそかつのキャラクターは、共食いの横綱。

 りりしく四股を踏み客寄せするが、やっていることは友を食えと誘っていることにほかならない。見るからに何も考えていなそうな瞳は、現実から目をそらし続けた結果か、あるいはほんとに何も考えていないのか。

 聞けば「ブーちゃん」という愛称でグッズ展開までされているこの共食い横綱。勝ち負けはともかく思わず座布団を投げたくなる豚さんだ。

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